北原亞以子著『銀座の職人さん』を読了
銀座に店を構える様々な職人が紹介されています。職人と言えば、頑固で、弟子に対して理不尽というイメージですが、北原さんの描く職人は真逆のイメージです。
弟子に自身の技術を伝えたいという思いに溢れた職人が描かれています。というよりは、そうだからこそ銀座という最先端のものがあふれる街で職人が共存していけるのだと思う。
職人に関する本をいくらか読んでいますが、働き方を考えるという視点から読んでいます。職人の働き方を近代批判という視点から考えることもでき、そういう視点の本もありますがそんなことには全く意味がありません。
職人というのは決して美化できるものではありません。銀座の職人はどれもその道における一流です。一握りの職人としての成功者です。当然、大半の職人は銀座で店を構えることはできません。
働き方の中に卓越性を取り入れていけるかどうか。このことも文化資本を考えるうえで大切だと思います。また、消費行動の中に文化を取り入れるにはどうしたらいいか。
そんなことを考えながら読了しました。