労働文化研究院

思考の過程と飛躍の記録

2018-01-01から1年間の記事一覧

場所的存在としての企業

道路交通法と同じくらい守られていないのが労働基準法だとよく言われます。実際、完全に労働基準法通りの経営を行ったとすると、使用者だけでなく労働者までもあまりの窮屈さに潰れてしまうのではないだろうか。労働法はそれだけ複雑怪奇な仕組みになってい…

ホスピタリティ保育

サービスとして利益追求をすれば保育にはならない。 保育園と家庭での子どもは違い、保育園でできることが家庭でできないとしても、保育園でできるのだから本人にはそれをするだけの力はある。むしろ、家でできないということはそれだけ社会性を身に着けてい…

学校化に抗して

僕はよく、教育に対して厳しすぎると指摘されます。基本的に僕の教育に対する考えの支えはイリイチの「脱学校論」なのでどうしてもそう思われても仕方ない。 しかし、どんなに学校とは政治装置であるといったところで学校をなくすことはできない。なぜなら、…

日常に潜む不能化

ある小学校の前を通る際、交差点に毎朝交通安全のために高齢者もしくは教員が立っています。それ自体は問題ないのですが、僕がおかしいと感じるのは当該の生徒が横断するときにしか黄色い旗を持って横断者がいることを示さないことです。 生徒以外は完全にス…

佐藤雅彦著『新しい分かり方』を読了

巷には様々な情報で溢れています。ある対象物についてスマホで調べれば分からないことはありません。では、僕たちは対象の何を分かったのでしょうか。また、どうして分かったと言えるのでしょうか。 この本は、自分がいかに「分かる」のかを客観的に知ること…

佐藤卓著『塑する思考』を読了

とてもデザイナーが書いた本とは思えないくらい深い考察がされています。 デザイナーと言えども、モノの構造だけを考えていてはいけないのだと分かった。 題名にある「塑する」とは、塑性のことです。弾力性は衝撃をはね返し、元の形に戻ります。塑性は衝撃…

雇用身分

ある会合で、働き方を考えるワークショップについて話し合う。参加者の職種は様々だが、みんなこぞって生産性向上を訴える。非常に危機感を覚える。 そもそも、生産性とは何なのだろうか。生産性だけで評価をするなら、生産性の低い人は排除されてしまう。し…